お風呂場。
Episode 1
俺は朝から不機嫌だ。
なぜかというと、今日は午後から雨だというから一瞬窓の外を見ると、
俺のではない男物の下着があったからだ。
天気予報には恨んでも恨みきれない。
妻が起きてきたので、その件について話してみた。
「あの下着は誰のだ。」
「...」
すると、外にあった下着を右手に隠すように握りしめた。
やっぱりなにか知っているのだ。
「浮気。したのか?」
「...」
「なんとか言えよ!」
俺はいつの間にか怒鳴ってしまった。
妻は、何も言わずにバックを持つと、玄関から出ていってしまった。
(俺は...悪くないんだよな...)
自分にそう言い聞かせながら、俺は会社へ出勤した。
でも、一日中そのことばかり頭に浮かんで仕事に集中できない。
すると、メール鳴った。
内容は、「しばらくは家に帰りません。」
とのことだ。
なんて勝手なやつなんだと思いながら、俺は残業して帰った。
玄関の鍵を開け中に入ると、
「あれ...?」
玄関には妻の靴が...
そうか、悲しくなって帰ってきたんだな?もう夜も遅いし、寝てるかな?
妻の姿が見当たらない。
寝室、リビング、トイレ...
風呂場。
...開かない...風呂場のドアが開かない。
隙間から覗いてみると、裸の状態の妻が倒れ込んでいた。
!!
俺はすぐに警察に連絡をし、急いでドアをこじ開けた。
そこにいたのは、青編めた顔の妻。
彼女は俺がプレゼントにあげた靴下を履いていた。
シャワーを左手に持って倒れていた。
その後警察が来て、詳しく調べてもらったが、
彼女の左手のシャーペンの芯の刺し傷以外は、
彼女に刺し傷が無いことや、風呂場で裸だということもあり、事故、で捜査は終了した。
俺はその後、今回の一連の出来事について思い出してみた。
その瞬間俺はゾッとした。
解説
まず、下着を右手に持ったことや、シャーペンの芯が左手に刺さっていたことで、右利きということがわかる。なのになぜ左手でシャワーを持っていたのか、、、
そして、一番疑問なのが靴下。
風呂に入る時に普通、靴下を履いて入るだろうか?
そして語り手は、玄関を入る時、ちゃんと鍵を開けている。ということは、まだ部屋の中に誰かが...